老人ホームでの余興!おすすめのネタは?

老人ホームでは定期的にレクリエーションやコンサートなどが行われています。一番多く開かれるのが老人ホームの職員が中心となって開催する会ですが、そこでは職員自身が出し物や余興をして入居者を楽しませています。

高齢者にはどのような余興が喜ばれるのでしょうか?入居者と職員が一体となって楽しめるもの、高齢者にとっていい効果があるものなどをまとめました。

→老人ホームの類型と特徴を紹介

1.手品

どんな世代の人でも楽しめる手品(マジック)は、もちろん高齢者にも大人気です。手品と聞くと”難しい”と思いがちですが、プロがやっている手品も素人がやっている手品もほとんどのものが市販の「手品キット」を使ったもので、キットを使わない場合も仕掛けは単純で、練習すれば誰にでもできるようなトリックです。

手品キットはおもちゃ店や量販店で手に入りますし、体一つでできるものもYouTubeなど動画サイトにやり方が多くアップされているので真似をしたり参考にできます。老人ホームでの余興として披露する手品は、シンプルでわかりやすく、大きな動きのものがおすすめです。

衣装なども多少派手なものにすれば雰囲気も出ます。

手品に成功した場合は、観客側にいる職員が大きく拍手をしたり声を出せば、入居者も盛り上がり楽しめます。仮に失敗した場合も、笑いにできれば余興として大成功なので失敗をオーバーリアクションするなどして、その際も観客側の職員が盛り上げましょう。

余興をする側も、失敗を気にしすぎず楽しんで練習できることもうれしいポイントですよね。

2.歌や楽器の演奏

歌や楽器の演奏は老人ホームで最も盛り上がる余興のひとつです。ソロやグループで演奏を披露してもいいですが、演奏時に入居者に一緒に歌ってもらうという形をとると非常に喜ばれますし、入居者への刺激にもなります。

その会場の規模にもよりますが、楽器であればピアノ(キーボード)やギターなどから管楽器、打楽器までどのような楽器でもOKです。一緒に歌ってもらう場合は、大掛かりになりすぎないピアノやギターなどがおすすめで、小さな打楽器などを多く用意して入居者に渡して一緒に叩いてもらっても楽しめます。

演奏の披露であればそこまでジャンルは問われませんが、入居者に一緒に歌ってもらう場合は楽曲の選考に注意しましょう。歌謡曲であれば「青い山脈(藤山一郎・奈良光枝)」「銀座カンカン娘(高峰秀子)」「リンゴの唄(並木路子)」「上を向いて歩こう(坂本九)」「孫(大泉逸郎)」「いつでも夢を(橋 幸夫・吉永小百合)」など、唱歌であれば「荒城の月」「さくらさくら」「ふるさと」「この道」「夕焼け小焼け」などが喜ばれ、更に演奏も難しくないのでおすすめです。

3.ダンス・盆踊り

ダンスは若い人がするものというイメージがありますが、音楽と一緒に体を動かすダンスは高齢者にも多くのメリットがあり、しかも余興としてもとても盛り上がります。ダンスには筋力や肺活量を鍛える身体的効果の他に、体を動かし脳が活性化することでの認知症予防、運動不足を補う生活習慣病改善などのプラスの効果があります。

人と触れ合うものであるので引きこもることを防ぎ、喋りがスムーズになる、感情が豊かになるなどの変化も生まれます。高齢者や車いすの人でも踊れるダンスも多くあるので、入居者みんなで楽しめます。老人ホームがオリジナルのダンスを作ったり、余興の域を出て発表会を開催するなどの動きも出てきています。

「マツケンサンバ2(松平健)」「東京ブギウギ(笠置シヅ子)」などがとても人気です。ダンスと同じように、盆踊りや音頭も余興には最適です。盆踊りなどは、高齢者でも慣れ親しんだ曲で踊れる上に、動きも難しくなくシンプルです。

入居者や職員が垣根なく踊れるので、一体感も生まれます。老人ホームで用いられている曲では「花笠音頭」「八木節音頭」「豊年音頭」「きよしのズンドコ節(氷川きよし)」などの曲目が人気です。

4.演劇

演劇や寸劇は高齢者にとても喜ばれます。演じるときは喜怒哀楽をはっきりと出し、オーバーリアクション、大きめの声量で、わかりやすさを念頭に置きましょう。舞台から降り入居者のもとへ行き、例えば花吹雪をまいたり小道具を手渡すなど入居者を巻き込むような演出があればより一層盛り上がります。

観客側の職員も、演出の一部を担ったり、盛り上げ役になるなどして一体感を後押ししましょう。こちらも演技力よりも観客を盛り上げるということが重要なので、楽しんで演じてください。劇の演目は、「水戸黄門」「暴れん坊将軍」「銭形平次」など高齢者にもなじみのある時代劇や、勧善懲悪などのすっきりするストーリーが好まれます。

また、入居者と一緒に劇を作るというのもおすすめです。難しくない劇を選んだり、セリフを簡単なものにするなどをすれば高齢者にも演じることができます。入居者の張り合いにもなり、認知症予防、運動促進などの効果もあります。

入居者が演じていればさらに盛り上がりますし、他の入居者も”自分もやってみたい”と思えるような劇にできれば最高ですね。

5.ものまね

ベタに感じがちですが、ものまねは余興としてとても人気です。

老人ホームによっては、プロの芸人を呼んだり、ボランティア団体にものまねを依頼するくらい高齢者に喜ばれるもののひとつです。プロの芸人が歌手の物まねをして歌えば、大笑いしたり涙を流して喜ぶ人もいます。

懐かしい気持ちを思い出したり、素直に笑えるなど感情表現は認知症予防や老人性うつの予防にとても有用なうえに、本人も充実感を感じることができます。笑いにはがんやウィルスに対する抵抗力や免疫力を高める効果や、血行促進、記憶力アップ、筋力アップ、幸福感と鎮痛作用など高齢者にとってはうれしい効果がつまっています。

プロのようにそっくりに完成度高くできなくてもかまいません。衣装やメイクなどでも笑いを取ることはできますし、オーバーに真似てふざけても楽しめます。どれだけへたでもみんなが盛り上がって楽しい気持ちになれるものまねであれば、見ている側には喜んでもらえます。

ジャンルは入居者に合わせ、演歌や歌謡曲のものまねショーや、政治家や芸能人のものまねなどがおすすめです。また、その老人ホームの職員の誰かのものまねなどをしてもおおいに盛り上がるでしょう。